在来線をいかに技術改良しても時速300キロメートルは非現実的である。最初から高い目標を掲げ、既存の延長戦ではない発想で開発しなければ、300キロメートルに到達することはできない。

(横河電機 元社長 故美川英二氏 「電子部品だけがなぜ強い」より)

 

新幹線方式について

この言葉を初めて読んだときの感想は”日本人かっこいいやん”ということ。
世界の最先端で勝負してきた彼らから出てきた言葉だけあり深い。滲み出ている。

おそらく、新幹線を開発していた当時、既に電車は一世代前のディーゼルの汽車よりは圧倒的に優れていたであろうし、そこをベースに開発をした方が一見、成功確立が高そうに見える

ただ、10%から15%程度の「改善」ではなく、20%から50%以上、或いは新幹線のように時速が倍になってしまうような改善。これはもはや「改善」をはるかに超えて「飛躍」と言えるんじゃないかと思う。

だから、その飛躍を生み出すためには既存の延長線じゃ絶対にたどり着けないか、たどり着く頃には遅過ぎて世の中変わってしまっているので、根本の発想から変えろということである。

もちろん、改善が不要だと言っているわけではない。カイゼンという言葉を世界標準まで押し上げたトヨタ自動車はその業績を見れば、誰もが唸る好業績の会社だし、その源泉は改善にある。ただ、一方で彼らは「ハイブリット車」という先進的な技術を世界に先駆けて送り出せる存在でもある。つまり、両方できるのである。

 

普段の仕事につながるちょっとした事例

先日、ネット界隈の方と渋谷で飲んでいたときに、ほとんどのネット企業が気付いたら確実に改善が見込めるような、10%改善の施策の優先順位が上がるという話を聞いた。そこで20%以上の変化をもたらすには、データだけを見るのではなく、ユーザーそのものや世の中の動きなど全て定量化されないものにも徹底的に向き合い、「飛躍」を探す必要があるとのこと。

例えば、金融商品を売る会社で、スマートフォンからのアクセスに関して、最適化されたフォームをつくったがあまり購入者数が伸びなかった。そこでデータではなく、ユーザーに向き合った結果、そもそも金融商品を小さなスマホは無理ということでスマホでは資料請求までにしてしまい、説明する導線を変えてしまったという話。結果的には総購入者数が圧倒的に伸びたとのこと。

 

新幹線ほどの飛躍ではないかもしれないが、規定路線の改善発想だけでは難しい。

「改善」と「飛躍」的な何かの両方持てるのかどうか。2つをちゃんと分けて考えられるか。
世界で勝ってきた人のマインド、日本の場合は、ものづくりの人からそんなマインドを学んだ。