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ハーバード白熱日本史教室 (新潮新書)
を読みました。

彼女はぼくより4つ上でハーバードの非常勤講師。
明らかにアメリカではマイナーで人気のなさそうな日本史の教授をしています。
だけれども彼女がすごいのが着任から3年連続で「ティーチングアワード」を受賞。
しかも、現在は軽く100名を超えるクラスを持っているようです。つまりハーバード人気教授なわけで。

日本人にもそんなマイケル・サンデルみたいな人がいるんだなと。(ちょっと誇張?!)
アジア系で、女性で、しかも若くて…あげればきりがない逆境を乗り越えて、
ハーバードで教えながら今を楽しんでいる彼女の本に感動しました。
ぜひ「情熱大陸」で特集してほしいなと。

また、海外の、それもハーバードで世界的にはマイナーである
日本史を教える彼女に人気が出たのは、日本史云々ではなく彼女の
歴史の捉え方ではないかと感じました。

 若い彼らにとって、歴史は遠い昔のお話である。大多数の学生にとって、日本史は「外国」の歴史。だからこそ、日本史特有の話に限らず、もっと大きく歴史がもつ面白さを全面に出すようにしています。
歴史がみんなを強くする理由。それは2つあると繰り返した。
1つは、時に隠された意味を見つけること。時は、経てば経つほど遠く、古くなるわけではない。意味を見つけられた過去や意味づけられた過去、どんなに昔のことでも、忘れかけていた一瞬でも、現在と直接の関係を持つようになる。…

実際に「KYOTO」という授業では、学生に京都の古地図を見て
「自分」の京都の地図をキャンバスに描く。そんな中で「今」「昔」
を結びつけながら歴史を学ぶ楽しさを演出している。

2つめは、時の重力を感じること。時は、いつでも同じペースで
積み重なっている。1秒1秒に同じ重力がかかっている。昨日は最悪で今日はまあまあと思っていても、昨日も今日も、数日後にふりかえるとある「1日」。最悪の中からいい考えが浮かんだり、まあまあの日に見た月が忘れられなかったり。時のなかには、様々な意味が含まれているからこそ、昨日が今日より駄目な理由はどこにもない。つらい気持ちの日も幸せいっぱいの日も、将来にとっては、同じ重力がある。だから、毎日どこでどんなことをしていても、その1秒に同じ重力がかかっていることを忘れてほしくない。

そんなふうに日本史にとどまらず、成果に役立つ歴史の奥深さに重きおいて話をした。日本史は決して特別なものではない。歴史の学習が、この学生のたちの将来に何か約に立ちますように。そういつも願った。

僕自身も正直、歴史大好き人間なので(だから海外旅行大好きなんだけど)、
今でも経済学部よりも歴史系学部のほうがよかったんじゃないかとか、
大学院に行くなら歴史系だなと勝手に思ったりしている。

過去の人間も今を生きている人も結局は同じような歴史の中に
埋もれていくのかもしれない。だけれども、歴史とのつながりを感じたり
また、時の流れを感じながら生きていくというのはそれはそれで
「個」の人生ベースで見ると面白いものになるのかもしれないと思った。

しんどそうだけど、一度受けてみたい授業です。
そして大学ってこんなに真剣で楽しそうなところなんだなと。