「人こそすべて」

スタートアップが立ち上がり、急成長する場合に何度も何度も強く感じることです。ビジネスモデルが見えた後は、本当に「人」こそが拠り所であり、先行する企業や追いかけてくる企業よりも優秀な人が猛スピードで取り組むことで初めて「勝ち」が見えてきます

以下は以前に作成した「レアジョブの採用における取り組み」にもう一行「やっておけば良かったこと」を追加したスライドです。

 

レアジョブは少なくとも、当初「フィリピンで英会話ってなに?」という業態にはてなマークのつく時代から参入し、現在も業界トップクラスで生き残った数少ない企業です。それこそ100社以上の競合環境を勝ち抜いてきました。参入大企業もベネッセ、ニチイ学館、DMM、住友商事、カカクコム、NTT系(敬称略)などそうそうたる企業の参入がありました。

それはまさに「優秀な人を採用できた」ことにあると思っています。

その上で「これをやっておけば良かったなー」と、今思うことをフェーズ別に5つ選んで書いてみました。ちなみに現在も採用こそが会社をかたち作るということでAI求人票採点サービスFindy(ファインディ)を起業していますが、その原点の紹介です

採用・人事担当者の採用/兼務可(@創業期フェーズ)

勝手に尊敬しまくっていて、日々Tweetを拝読させて頂いているAnyPayの木村さん(@shinzizm2)がプロダクトリリース後、1ヶ月も経たないうちに人事担当を募集開始しています。

*Twitter超オススメです!いつも深く考えさせられます。

このTweetを見た際にハッとしました。急拡大する組織は人事・採用担当を真っ先に採用するのか、と。そして、これまで見てきたどこの企業よりも早いタイミングでの募集ではないかと感じました。

ちなみに、新卒の三菱重工業でも、海外拠点を立ち上げる際に一番に現地に赴くのは現地のヘッドや責任者クラスを採用できる人、です。原則、急成長を前提に海外に工場を建てるので当然といえば当然です。

レアジョブも早かった方ですが、それでも9人目のスタッフが15人くらい入社したタイミングで人事・採用を兼務になりました。

 

スキル・経験・知識が豊富な人の採用(@急成長フェーズ)

急成長フェーズはとにかくオペレーションがまわりません。指数関数的な成長をしており、それこそ増え続けるカスタマーサポートやマーケティングの日々の施作をやりきるだけで手一杯になります。

創業期に25歳で入社して、当時国内でこのオペレーション部隊を率いていたのが自分自身でした。

とりあえずAM2時までカスタマーサポートをやって、その後AM朝5時までアライアンスの企画書とシュミレーションを作って、また翌朝11時から働く、それが楽しくってしょうがない時期でした。

しかしながら、長期的な成長を見据えた投資は全然できてなかったんですね。

  • KPIの設計と運用
  • オペレーションの自動化(根性対応ではなく)
  • 人事制度の整備と運用
  • システム運用のセキュリティを担保できる人材

取り上げたらキリがないのですが、「ああ、もっとこのあたりを早く導入していれば次のアクセルがもっと勢いを持って踏めたかもしれない」とその後何度か感じました。

上記の4つの課題はその後、スキル・経験・知識を持った人材が入社したのですが、全て一度崩壊してから、或いは崩壊する直前の入社でした。後、半年から1年早く採用に動いていれば違う結果になったかもしれません。

 

創業期のメンバーの引き留め(@安定成長期/上場前後フェーズ)

上場に向けて、数値管理や制度、システム運用の安定化が進む中で、それ以前に活躍していた「急拡大への対応ができる人」、具体的には「オペレーションをやりきる人」や「各部門を立ち上げる人」には居場所がなくなっていきます。

理由は組織のフェーズが変わった結果、求められる能力が変わっても自分の成長が追いつかないからです。かく言う自分も部長として、フルタイム10人、パートタイムも入れると30人くらいを管轄していた責任者から、一夜にして部下ゼロの平社員になりました。(当時、課長代理という役職もらったのですが、ベンチャーで代理ってなんやねん、と思って名刺から消したのが懐かしいw)

多くの人がこのタイミングで会社を去っていきます。戦友が悩み悩んでメンタルもやられる中、病院を紹介するのもなかなか辛いものでした。

ただ、ほどなくして会社として彼らが恋しくなる時期がやってきます。上場後に安定的に成長しているものの、急成長を実現するためには新しいことにチャレンジする必要が出てきます。その新しいこと、答えのないことをやる人たちがすでに会社を去ってしまっているのです。

50人弱〜100人程度のフルタイムスタッフがいる会社の社長、人事責任者には、創業期からの馬力あるメンバーで、今この瞬間はスキルや経験がある人と比較してイマイチに見えている人でも、これだと思っている人は”残す”努力をしてください。きっと後悔しますw

 

新卒orインターン採用の継続(@安定成長期/上場前後フェーズ)

時を同じくして「スキル・経験・知識」を重視した採用にシフトした結果、新卒やインターンには力を入れなくなりました。

しかしながら、今のレアジョブでブラジル事業、オフライン事業、フィリピンの新拠点、オウンドメディアなど立ち上げ系の核となるメンバーにインターン出身の若手が多数います。

「創業期のメンバーの引き留め」と同じですが、スキルや経験は不足していますが馬力があり、新しくて困難なことに挑戦するのも好きなメンバーです。ちなみに僕もちゃっかり当時のインターン生のエンジニアと一緒に起業していますw

そうしたメンバーをしっかり育てていく組織はいずれ大きな競争力を持つ企業になります。典型的な例がサイバーエージェントやAdways(敬称略)だと思います。

 

上場後の成長を経験した人材の採用(@変革期フェーズ)

上記の4つの「やっておけば良かったこと」を読んでいただいた方には明白かと思いますが、成長するスタートアップはフェーズ毎に急速に必要な能力が変わっていきます。

上場後の継続的な急成長、或いは売上20億円から50億円、100億円を目指すというのは、多くの事業でそれまでの延長線上に答えがないことが多いと聞いています。例えば、ネット証券が初期は「証券取引をネット化」したところから、次に「デイトレーダー」を取り込んでいくところで再度急成長したように、プロダクトや組織面での再発明が必要になります。

また、答えを探すためにはある程度多くの打ち手を打つ必要があり、多様な打ち手を打てる人が属している組織は強いです。意図的にそうした取り組みを推進できる人材はやはり必要不可欠と感じました。

 

結びに

以上がスタートアップに入社して7年ほど、何度もこけそうになりながら学ぶ中で感じた「あの時、採用面でやっておけば良かったこと(フェーズ別)」でした。今も起業しながら、オフィスを間借りさせてもらう形でHRビジネスパートナーとして次のフェーズを楽しく拝見させてもらっています。

そして、間違いなく言えるのは「採用・人事は各フェーズの期間を早める存在」であるということです。スタートアップの採用・人事のみなさま、めっちゃ重要なポジションです!