Pocket

人事評価というのはどの会社にとっても悩みの尽きない課題です。

  • メンバーからの「評価に納得できない」という声
  • マネージャーからの「評価のやり方がわからない」という声
  • 他部門からの「あの部門の評価は甘い」という批判の声

それらの声は人事部門に集約されるとともに、人事制度の改善をした方が良いのではという議論に流れていきます。それはそれで一つの正しい方向性ですが、その前に人事評価をどう活用するのかについて改めて考える必要があると考えています。

 

そもそも当てにならない人事評価

先日、HR×データ解析の世界で先端をいくリクルートキャリアの鹿内さんとディスカッションしていた際に出てきた話題が人事評価において評価者のバイアスは非常に大きい、ということです。

実際にはそもそも人事評価は当てにならない。数字で見えるパフォーマンスと実際の人事評価の間に相関がないという研究成果もあるとのことです。(この辺りはまた別記事で紹介したいです)

ちなみに、評価ではなくIoTを使った行動データの収集という面白い取り組みをされています。

 

では、何のための人事評価プロセスか

ここからは個人的な考えであり、意志でもありますが、人事評価プロセスが現場にとって大事な理由はそれ自体がマネジメント上の最高のコミュニケーションツールの一つだからです。

評価には大きく分けて目標に対する評価とポリシーに対する評価があります。前者は目標に対してどの程度の成果を上げているか、後者は会社及び個人の成果のために仕事のプロセス上でロールモデルになり得ているかを図ります。

どちらも日々の業務に追われていると、つい話す機会を後回しにしてしまいます。また、マネージャーとメンバーが納得のできるカタチでこうした目標設定をしようとすると日頃から相当量のコミュニケーションが必要となります。

そうした上下のコミュニケーションを活性化させるツールとして評価プロセスを捉えることは、組織に所属する人のモチベーションや成長に大きく寄与するため、ひいては組織の成長につながります。

 

GEも有名な9ブロックを廃止し、コミュニケーションの質向上へ

 

詳細は以下の記事に詳しいのですが、人事世界のロールモデルではあるGEの評価制度改革は業界にとって大きな衝撃です。

人事評価の新潮流~GEが9ブロックを止めたのは本当だった!

特にGEの考える新しい評価システムを記事内では、

「パフォーマンス・マネジメント」から「パフォーマンス・ディベロップメント」への転換

と表現しています。

この転換はGEがこれまでの発電所や航空機のエンジンといったガチハードウェアから、IoTなどハード+ソフトウェアの領域に軸を移すタイミングで製品開発のプロセスが変わるため、同時に組織の文化を変えていく必要があることに起因しているようです。

実際に、ソフトウェアエンジニアも採用しているんですね。

強い組織、強い人材が求められることは必然である。GE社もシリコンバレーにラボを作り、エンジニアを大量採用し、シリコンバレーの文化を積極的に導入している。

具体的なアクションの中で特に興味深いのが”上司と部下との「タッチポイント」”を増やすという発想です。しかも、そこでは”インサイト&コーチングが前提となる”とされています。まさにコミュニケーションやコーチングを通して学習する組織を作っていくかのような印象です。

個人的に三菱重工業という、同業の会社出身のため非常に非常に興味深いです。

 

マネジメント層に求められるアライアンス的な発想

以前にブログで書いたのですが、コミュニケーションツールとしての評価プロセスの活用を実現するには、これまで通りのマネジメント手法では不十分であると考えています。

 

「ALLIANCE」のマネジメント手法はベンチャーに最適
  ベンチャー企業に入社して約6年が経ちました。スタートアップの世界に飛び込んだのが25歳、そして26歳からチームを持つ中で、一番悩んできたのがマネジメントです。当然、部下には年上も、デザイナーやエンジニアなどの異なる職種もいます。そんな中で...

単純に会社、部門、チームのコミットメントに対して何ができるかの約束と確認がこれまでの評価プロセスだとすると、これからはそれに加えてメンバー1人1人の将来や生き方を理解した上で、そこと組織の目標の設定を探っていく必要があると考えています。

以上、少し長くなりましたが、人事評価のプロセスをコミュニケーションツールとして丁寧に取り組んでいく必要があると感じる理由のご紹介でした。

あるHRの大先輩が評価制度は設計2割、運用8割とおっしゃっていたのですが、そのあたりが最近肌感覚として理解できるようになってきました。