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新卒で入社した三菱重工では研修期間に総務から「財形住宅貯蓄」の説明がありました。毎月給料から天引きで貯蓄をしていき、住宅を建てる場合にのみ貯蓄に付く利子を会社が優遇するというものです。9年前ですが、この低利子時代に数%前半と驚きの利率でした。

ただ、頭ではものすごくいい制度と分かっていながら、マイホームに憧れる世代ではないし、海外に出たいから一生住む場所を固定することはないと思い加入しませんでした。

上記の加入しなかった事実からも、福利厚生が採用活動や社員のリテンションを目的として行われる企業活動だとすると時代を捉えることの大切さを感じます。

そんな中で、以下のような記事が日経新聞でどんどん出てくることに驚きと感銘、時代の変化を感じます。

メルカリ、社員の不妊治療・病児保育を支援
妊活支援… 化粧品・日用品各社が柔軟な勤務拡充

特に充実しているのがメルカリさんとロレアルさんの制度です。

「メルカリ」

メルカリ、妊活や病児保育の支援を人事制度「merci box」に追加 -高額な保険外の不妊治療も3割負担で受診可能-

妊活の支援
夫婦の両方、もしくはどちらかが、高額な費用が発生する可能性のある不妊治療を行う場合、その費用を会社が一部負担します。治療の開始から10年間、所得制限や年齢、回数の制限なく支援が受けられ、自治体による補助との併用も可能です。

・保険適用の治療:治療費の3割を会社が負担し、実質本人負担額は0円
・保険適用外の治療:治療費の7割を会社と自治体の助成金で負担し、実質本人負担額は治療費の3割
※自治体の助成金の割合は各自治体や取得者によって異なります

要は3割負担で妊活ができるということです。これは衝撃ですね。しかも一般的な大企業ではなくベンチャー企業が始めるというところに大きな感銘を受けます。

 

「ロレアル」

妊活支援… 化粧品・日用品各社が柔軟な勤務拡充

ニュース記事によると以下の内容とのことです。

・勤続1年以上の方に1日3時間半以上、週2回以上勤務を提案
・対象は正社員と契約社員
・利用は性別、年齢を問わない
・制度利用後に退職しても条件を満たせば3年以内なら復職

こちらは時間の面でサポート。確かに病院は原則平日なので、重要なサポートですね。

 

最近、友人や同僚でも妊活をしているケースはそれほど珍しくはなく、非常に身近になってきています。年間出産人数約100万人のうち約4万人が体外受精と言われる時代ですのでいかに身近なことかが分かります。

少し古い記事ですが、2012年のデータです。
体外受精で出生、27人に1人 国内12年3.7万人誕生

 

ちなみに時代に合っているという理由は以下一連のデータからも見て取れます。

例えば、以下のデータのとおり、ここ30年強の間で子供を2人以上持ちたいと考える夫婦の割合は9割以上で意外と変わっていないという事実があります。

図1

(出典:厚生労働省資料 http://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/13/dl/1-02-3.pdf

晩婚化が進んだ結果、第一子の平均出産年齢は3歳ほど上がっています。

zh1_2_13

(出典:内閣府 平成24年版 子ども・子育て白書)

 

また、年齢別の自然妊娠率などは一般的には徐々に下がると言われてます。詳細は日本生殖医学会のサイトなどにあります。その結果としての不妊治療のニーズは高まっていると言えます。

 

共働きの夫婦にとって仕事と妊活を両立させていくということはお金の面でも時間の面でも非常に大変なことだと思います。その支援を行政だけで行うのが限界がありますし、企業が支援を始めるというのは時間とお金のサポートに加えて、社会的理解の促進という意味でも大きな価値があると感じます。

 

ちなみに以下のような企業も制度を作っていますね。

・サイバーエージェント「macalon(マカロン)パッケージ」
https://www.cyberagent.co.jp/recruit/benefits/

主に妊活のための休暇サポートがメインです。以下のような配慮がちゃんと分かっているなという感じです

妊活休暇
不妊治療中の女性社員が、治療のための通院等を目的に、月1回まで取得可能な特別休暇。急な通院や体調等に考慮し、当日取得が可。本休暇取得の際には「エフ休」という言葉を使用することで、周囲に知られず取得が可能。

 

・パナソニック「チャイルドプラン休業制度」

不妊治療のための休業制度で1ヵ月以上で通算365日間が分割取得できるそうです。手厚い!オムロンなども同様の制度を持っているようです。

 

・海外だと、こんなものも。
従業員の「卵子凍結」に補助金を出すアップルとフェイスブック

ある意味で企業が競争をしながら時代にあった福利厚生を考えて提示していくというのはすごくいいことですね。

ちなみに補足しておくと新卒で入社した三菱重工は本当に魅力的な事業を持つ(ロケットとか飛行機、エンジン、発電所などなど)、魅力的な会社で同期もほとんど辞めていないです。従って、実は財形住宅貯蓄のニーズは大きいのかもしれません。