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ベンチャー企業に入社して約6年が経ちました。スタートアップの世界に飛び込んだのが25歳、そして26歳からチームを持つ中で、一番悩んできたのがマネジメントです。当然、部下には年上も、デザイナーやエンジニアなどの異なる職種もいます。そんな中で実践してきたマネジメントと「ALLIANCE アライアンス―――人と企業が信頼で結ばれる新しい雇用」が非常に近く、ああ間違っていなかったんだという思いもあり、共感ポイントをまとめてみました。

 

ALLIANCEとは…リンクトインにおける人材マネジメントについて紹介。

変化が激しい時代に、従来の終身雇用では時代のスピードに対応できない。優秀な社員も成長できる仕事を求める。このような時代、シリコンバレーで実践されているのが、「アライアンス」という雇用形態だ。人は企業とではなく仕事と契約し、かつ企業とも信頼で結びつく。変化に対応する組織の新たな雇用を提唱する。(Amazonの紹介文)

 

0.前提として一生働く場所ではないという相互認識

新卒で入社した三菱重工とスタートアップの最大の違いは”一生”働く場所だと思って入社していないことから始まります。会社側も当然、入社してくれた人の”一生”まで考えていません。

その前提に立ちつつも、優秀な人を採用し、優秀な人に働き続けてもらうために会社とスタッフの関係をどう構築していくかを考えていく必要があります。

 

1.仕事を通して個人の価値も高めること

個人は敢えてリスクの高いスタートアップの世界に飛び込んで挑戦し、会社を成長させようとしています。そうであるならば、会社もその個人、つまりスタッフの思いに応えていく必要があります。

本書でも以下とあります。会社の視点に立つとついつい個人が会社に提供する価値に焦点を当てがちですが、優秀なスタッフを招き入れ、定着してもらうためにはもっと個人の成長にも焦点を当てるべきです。

アライアンスの関係は、雇用主と社員が「どのような価値を相手にもたらすか」に基づいてつくられる。雇用主は社員に向かってこう明示する必要がある。「当社の価値向上に力を貸してほしい。当社も『あなた』の価値を向上させよう」——。

以前に社内でも「いつでも辞めて別の会社で活躍できるという自信」をスタッフにもってもらうことこそが、優秀なスタッフのリテンションにつながる、と話していました。

 

2.個人の将来と今の仕事の接点を確認する

ここが肝になりますが、マネジメント側としては、個人の将来と今の仕事の”つながり”を見つけ出し、スタッフと確認する必要があります。

本書内でも以下とありますが、例えば将来、エンジニアとしての仕事だけではなく事業責任者にも挑戦したいスタッフには、できる限り数値コミットとそれに伴う予算作りの仕事にも挑戦してもらいます。

或いは将来、結婚後の出産を考えて営業ではなく、内勤を希望するスタッフがいれば、営業での成果だけではなく営業企画やマーケティングに関わる業務にも積極的にコミットしてもらいます。

整合性を目指すには、「企業の目標と価値観」と「社員のキャリア目標と価値観」との間にある共通点を、マネジャーが意識的に探して明示しなければならない

これをやっていくためにはマネージャーとスタッフ間がしっかりとコミュニケーションをとる必要があります。

以下も本書内からの引用ですが、双方の合意に基づくコミットメント期間というのも大事な視点ですね。

働き方を「いくつものコミットメント期間の積み重ね」という形に位置づけ直すと、起業家タイプの人材を惹きつけ、自社で働き続けようと思ってもらいやすくなる。トップレベルの人材を雇いたい時も、得られるメリットと成功の果実が明快に見える「コミットメント期間」を提示するほうが、「貴重な経験ができますよ」などとあいまいな約束をするより説得力がある。魅力的なコミットメント期間を設計できれば、「個人としてのブランド力」を高める具体的な道筋を示すことになる。

 

3.コミットメントの期間を意識する

会社の将来と個人の人生設計との接点を見つければ、あとは双方にとっていつまでにどれくらいのことに挑戦し、結果を出すかの確認です。本書内でもだいたい2~5年が一般的で、経営幹部になっていくとより長くなるとありますが、個人的にも最低数年くらいやってみた方がいいと思っています。

1~2年だと、うまくいかない苦しい時期まで到達せずに辞めてしまう、或いは苦しい時期だから辞めてしまうといったことになり、双方にとって中途半端な結果を残すことになってしまいます。

 

4.卒業後も終わらない関係を築く

少しマネジメントの視点からは外れますが、貢献したスタッフと会社の関係を長期で築いていくことの大切さを最近強く感じています。この部分は特に会社側視点に立った際に抜けてしまいなので意識して構築していく必要があります。

スタートアップの最大の課題は、大企業と比べてとにかく”足りないもの”がたくさんあることです。お金、人材、提携先などなど。一度、同じ釜の飯を食べた者同士の方が、誰よりも会社のことをサポートしてくれる可能性が高いです。

特に大事なのは、活躍してくれたスタッフを最後に気持ち良く送り出すこと、また定期的にイベントなどで集まって近況報告をすることではないでしょうか。

 

以上、Allianceはベンチャーで魅力的な人を採用し、一緒に働いていく上でいろいろと示唆に富んでいるので、年末年始に読むのにオススメの書籍です。