31歳で起業して思うこと。年の瀬のご挨拶を兼ねて

 

 

このメタップス佐藤さんのTweetを見て来年は忙しく走り続ける年になるであろうと思い、この年末年始に今年の振り返り、そしてなぜ今年起業したのか振り返ろうと思いました。

なぜこのタイミングで起業したのか

やりたいことが見付かったから

何度か起業したい、と思ったことはありました。起業したいことを口にしつつも起業に踏み切れていなかったので、「やるやる詐欺」じゃないかなんて友人からも言われました。

3年くらい前に投資家が主催するピッチイベントにも参加し、投資もするよと言っていただきながら、その時点でのビジネスモデルも決めながらも、やはり起業に踏み切れませんでした。

それはやりたいことが見付かっていなかったからです。(サポート頂いた皆様ごめんなさい。)

当時は「オールドエコノミーをネットの力で改革する」みたいなことを軸に起業ネタを考えていました。もともと三菱重工業出身であること、またネット業界の人が興味を持たないユニークネスがあると感じていました。100人以上製造業関係の人に会い、東南アジアの工場をまわり、それでも何か最後の最後にその時点でピンと来るものを見つけられませんでした。

その後、レアジョブの仕事やコーチングを通して、「人」に興味があるのだという、自分の中にある本当の興味というか、人生をかけたいことを改めて再発見することができ、ファインディ(Findy)の起業に至りました。

自分の中にある思いを再発見したに過ぎないので、なぜこれをやりたいのか、どこを目指したいのかは、本当に自然に口から溢れてくる感覚を持っています。

AI求人票採点サービス「Findy(ファインディ)」リリースの想い
  本日、AI求人票採点サービス「Findy(ファインディ)」をリリースしました。どんなサービスか「Findy(ファインディ)」とは求人票改善サービスです。具体的には以下のとおりです。求人票を入力すると、AIを使ってリアルタイムに求人票を採点するサービ...

 

やりきることができたと感じたから

もう一つがレアジョブをやり切れた、次の世代に引き継ぐ時期だと感じることができたからです。

レアジョブに入社した日から約7年が経ちました。7年間スタートアップで創業経営者でも無いのに経営陣までやるというのは、周りを見渡してもそれほど多くありません。良い時も苦しい時も自分なりに答えを出しながら、進んできた感覚は持っています。

そもそもスタートアップに参画したのは三枝匡さんの戦略系3部作シリーズを読んで、できるだけ早く「死の谷」(経営における苦しい時期)に経営者として接したいと思ったことがきっかけです。だから3年以内に経営層になることを目標においていました。当初の目標は起業家<経営者でした。

実際に3年よりはもう少し時間はかかってしまいましたが、経営陣としてHR改革や上場後の株主転換(三井物産との資本業務提携)などを引っ張る機会に恵まれました。

もちろん、「教育×ビジネス」は7年で解が出るような簡単な世界ではありません。個人でやり切ったからと言って、まだまだできることがあるだろうと、お客様や株主には怒られてしまいそうです。ただ、僕よりもレアジョブをもっと良いサービスにできる仲間を見つけることも仕事として取り組んできたし、これからもサポートしていく予定です。

あとは実際に、”教育”という文脈があってこそ、”人”をテーマに事業を起こすに至ったという意味でもこれからもつながっていきそうです。詳しくは上にも紹介している「AI求人票採点サービス「Findy(ファインディ)」リリースの想い」にも書いています。

 

もう一つのエピソードとしては、一度「起業するからレアジョブを辞める」と当時のレアジョブの監査役に相談した際に問われた「問い」の答えを出そうしていたのもあります。

それは

お前はやり切ったのか?

この一言に集約される問いでした。当時の監査役は山一証券倒産時に執行役員ニューヨーク支社長だった方で、アメリカのオフィスから全ての従業員が新しい職場を見つけるまでニューヨークに止まったという人でした。

彼はすでに倒産した、そこまでやる必要がない会社のしんがりをやり切った人でした。何か合理性の中にはないものをやり切った人の言葉には凄みを感じました。

 

不安がなくなったから

起業したいと思った際に、やはり人並みには不安を感じました。失敗したらどうするのか、その場合の生活はどうなるのか、今の仕事で関わってきた人を裏切ることにはならないか。

いろんな不安を抱える中で当時、相談に行ったのが禅寺の住職です。一時期広尾にある臨済宗の寺に座禅をしに通っていたのですが、その際に起業するのが不安であることを思い切って相談してみました。

その時の住職の回答が

不安を一つ一つ潰しなさい。誰しも不安はありますが、それを潰していった人が不安を乗り越えて新しいことに挑戦できるのです

というものでした。起業するというと一心不乱にそういった不安など微塵も感じずに取り組まないと成功はあり得ないものと思っていたので、すごく新鮮に感じました。そして、その瞬間にあらゆる課題と同じく不安も因数分解して解消できるものだと気付いて逆に不安が不安でなくなりました。

「人」の可能性に賭けたい

先日投稿した『スタートアップの経営者・人事向け「あの時、採用面でやっておけば良かったこと(成長フェーズ別)」』というブログが当初の想定を超えてバズりました。2400弱の”いいね”は人生最高ですねw

スタートアップの経営者・人事向け「あの時、採用面でやっておけば良かったこと(成長フェーズ別)」
 「人こそすべて」スタートアップが立ち上がり、急成長する場合に何度も何度も強く感じることです。ビジネスモデルが見えた後は、本当に「人」こそが拠り所であり、先行する企業や追いかけてくる企業よりも優秀な人が猛スピードで取り組むことで初めて「勝ち」...

 

この記事にも書きましたが、人こそが組織あるいは国家レベルの集合体含めてその可能性を左右する存在であるという信念があります。

今や在り来たりの言葉になってしまいましたが、産業の中心としてソフトウェアが台頭し、金融市場が高度に発展した今日、経営の三要素は「ヒト・モノ・カネ」から「ヒト・ヒト・ヒト」の時代になったと言われています。それは僕の新卒である製造業の世界でも同じだと考えています。

そして、この「人」に賭けることこそが日本が復活する、或いは今よりも世界を少しだけ良くする上で一番面白い賭けになるのではないかと思っています。

来年も目標やこれから目指していきたいことは改めて、このブログに綴りたいと思います。

 

2016年の感謝

起業にあたり全く反対しなかった家族、そして一緒にやろうという誘いに応じてくれた共同創業者、Findy(ファインディ)の事業立ち上げをサポートしてくれている友人、快くオフィスを貸してくれている中村さん以下レアジョブのメンバー。自らの新しい挑戦を応援してくれる方がこんなにもたくさんいることに、わずか半年ですが感謝でいっぱいです。2017年も色々とご迷惑をかけると思いますが、ご指導ご鞭撻のほどどうぞよろしくお願いします。

採用サイトをリニューアルする際に更新頻度を上げるために意識した2つのこと

 

 

11月に実施したHR meetup tokyo the war for talent- #4のプレゼン資料の紹介です。今回はレアジョブのHRの取り組みを紹介してきました。

詳細はスライドシェアの通りですが、自社でブログを書いたり採用メディアを運用する際にボトルネックとなる以下2点についてレアジョブで解消した事例を紹介しています。

  • サイトを更新できない
  • 記事などのコンテンツを作成できない

 

せっかくなので当日出た質問をご紹介します

このメディアは必ず記事を読まないと募集要項に進めないが、意図的にやっているのか?

→答えはYesです。実際に数字ベースでも応募してくれている人はコンテンツを見ている回数が多い傾向で、会社への理解が進んだ上で応募していただいているようです。

 

どんな人がライターをしているのか?

→ライターも複業の一つの熊谷氏(「スタバでダベる女子大生に対し畏敬の念を禁じ得ない」の記事が面白い人です)に手伝ってもらっています。単に記事を書いてもらうだけではなく、どんなコンセプトでメディアを立ち上げるのか、その場合にどんなコンテンツを作っていくかの議論まで入ってもらっています。もちろん社員も書いています。

最近、面接をしているとこの記事を読みました〜みたいなコメントを多くいただくようになり、応募数やPVなどの定量的な成果はもちろんですが、定性的な成果も出てきていると感じます。

立ち上げサイトはこちら

アピール | レアジョブをアピールするマガジン
レアジョブの事をアピールするマガジン「アピール」では、レアジョブで働く人のインタビュー記事からプロジェクト秘話、採用情報までさまざまな角度からレアジョブをアピールしています。

なんでアピールという名前にしたのか、記事コンテンツの狙いは何か、などはこのプロジェクトを引っ張った向さんに今度語ったもらえればなと思います。

 

 

内定者向け 配属先の選抜競争は入社前から始まっているという真実

 

 

そんな人生にとって大事な気付きを得た内定者だった頃から早10年。その頃を振り返りブログを書くことにしました。

そう、誰も教えてくれない不都合な真実、それは配属先の選抜競争は入社前から始まっているということです。

配属先競争で敗北した実体験

内定者の皆様に同じ悔しさを味ってもらわないために自らの新卒採用時の配属先について実体験を書きました。

実体験その1:希望の配属先枠は入社時にもう無かった

新卒で製造業大手に入社した最大の理由は海外営業の仕事に就き、ビジネスクラスを乗り継ぎ世界中で受注を取りまくること(ちょっと浅いなw)、でした。ついでに将来はプラント建設の現場に赴き、サソリの生態に詳しくなりながら数十カ国から出稼ぎに来たスタッフをまとめ上げる仕事に就く妄想をしていました。

しかし、つめの甘さからもちろん希望先を海外営業と書く気満々だった入社式の3日後、驚愕の事実を同期から知らされます。

「おれ、○○事業部の海外営業ほぼ決まりー。前日の飲み会でしっかりアピールして来たから」

「ぼくも、○○事業部の営業だと思う。入社前からテニス部で一緒に汗流しているから」

海外営業は事業本部でたった4枠のうち2枠は既に飲み会とテニス部で抑えられていて、あと2枠はTOEIC900以上で留学経験者か帰国子女あたりが必須条件でした。

まじかよ。そんなのズルイじゃないか。フェアじゃないと当時は憤りを感じたものの、その時は後の祭りです。

今思えば、ライバルを出し抜く、というのはビジネスの基本中の基本ですね。本当に甘かったです。

 

実体験その2:実はちゃっかり自分も売り込んでいたが新卒配属枠がなかった

実体験その1の通り、結果的には当初希望した部門に配属できなかったのですが、自らも「海外戦略本部」という部署に入社前から売り込みをかけていました。

方法としては、卒業論文のテーマを温室効果ガスの排出権取引ビジネスに設定して、実際に排出権取引をやっているのが海外戦略本部だったので、その部門のトップに会いたいと打診して実際にインタビューも行なっています。

入社後もお礼とローテーション時期には必ず行きたい旨をメールでしつこく伝えて、本社に出張する際は海外戦略本部のまわりを不自然にウロウロしていました。

敗因は内定後の事業本部配属時に第一志望の本社に行けなかったこと、そもそも海外戦略本部の新卒枠がなかったこと。情報分析不足ですねw

”大学時代からのやりたいこと”=”就職先”の人はもっと強い

新卒の三菱重工業はご存知の通り、重工業メーカーで飛行機や戦車、船、発電所、自動車部品と多岐に渡るものを製造しています。

同期の中でも特に技術系でプロダクト開発部門に配属が決まっている同期は大学時代からそこに入る必然性を自ら作っており、普段から学びを欠かさない人が多かった印象です。

例えば、

  • 自動車部品をやりたい同期は休日の趣味は車いじり
  • 歯車好きの同期は普段から歯車展に足繁く通うほど歯車が好き
  • 中国でビジネスしたいと思っている同期が中国に留学経験済み

やりたいことを見据えて、勉強している人は既に自分より先にいます。明確な意志を持って学び、チャンスを掴む瞬間を虎視眈々と狙っているわけです。

それに比べて自分は甘かったし、まだモラトリアムの真っ只中にいたなと今振り返れば思います。

 

就職活動が不安な、何がやりたいか分からないあなたへ

答えは

「何かをやってみること」

です。

本当にそれにつきます。上記に出てきた同期の友人もその時点、大学や大学院卒業時点での答えを見出して実行しているにすぎません。

自分自身を振り返っても今は、人材・教育×テクノロジーの世界にいますが、まさか製造業の世界からこの世界にきていると思ってもみませんでした。

ただ、就職した後は上司にも恵まれとにかくその分野を勉強しました。年間の読書は100冊を必須とし、毎日工場に出かけるようにしました。オフもNPOを立ち上げて、NPOのマーケティングを支援したり、何かを取り返そうと必死だったことを記憶しています。その結果学んだマネジメントサイクルの設計方法や投資の考え方、マーケティングの基礎は今でも生きています。

その積み上げの結果、今はやりたいことを楽しくできています。後はやりたいことなんてそんな簡単に見つからないので、走りながら考えるしかないってことですね。

 

特にやりたいことがなければスタートアップのインターンもオススメ

スタートアップでのインターンはいかがでしょうか。とりあえず、がむしゃらに明日を創ろうとするエネルギーは触れて損にはならないものです。レアジョブ時代も10人くらいのインターン生を自チームのメンバーとして迎え入れてきましたが、

  • レアジョブで28歳の若さで事業部長になる者
  • Googleの後に起業する者
  • 中国で起業に参加した後に帰国して哲学を学ぶ者

上に挙げた3人以外にも皆面白いことをやっていて今話しても面白いメンバーになっています。

この章は少し強引でしたねw

ちなみに自分自身は日米学生会議と環境NPOでのインターン、バックパッカーでの旅行に大学生活を注ぎました。唯一の心残りは起業をやってみなかったこと。そんな可能性があることすら関西にいて知りませんでした。

最後に宣伝です。Findy(ファインディ)でもインターンの募集を始めました。スタートアップ楽しいです。

応募フォームはこちら

スタートアップの経営者・人事向け「あの時、採用面でやっておけば良かったこと(成長フェーズ別)」

 

「人こそすべて」

スタートアップが立ち上がり、急成長する場合に何度も何度も強く感じることです。ビジネスモデルが見えた後は、本当に「人」こそが拠り所であり、先行する企業や追いかけてくる企業よりも優秀な人が猛スピードで取り組むことで初めて「勝ち」が見えてきます

以下は以前に作成した「レアジョブの採用における取り組み」にもう一行「やっておけば良かったこと」を追加したスライドです。

 

レアジョブは少なくとも、当初「フィリピンで英会話ってなに?」という業態にはてなマークのつく時代から参入し、現在も業界トップクラスで生き残った数少ない企業です。それこそ100社以上の競合環境を勝ち抜いてきました。参入大企業もベネッセ、ニチイ学館、DMM、住友商事、カカクコム、NTT系(敬称略)などそうそうたる企業の参入がありました。

それはまさに「優秀な人を採用できた」ことにあると思っています。

その上で「これをやっておけば良かったなー」と、今思うことをフェーズ別に5つ選んで書いてみました。ちなみに現在も採用こそが会社をかたち作るということでAI求人票採点サービスFindy(ファインディ)を起業していますが、その原点の紹介です

採用・人事担当者の採用/兼務可(@創業期フェーズ)

勝手に尊敬しまくっていて、日々Tweetを拝読させて頂いているAnyPayの木村さん(@shinzizm2)がプロダクトリリース後、1ヶ月も経たないうちに人事担当を募集開始しています。

*Twitter超オススメです!いつも深く考えさせられます。

このTweetを見た際にハッとしました。急拡大する組織は人事・採用担当を真っ先に採用するのか、と。そして、これまで見てきたどこの企業よりも早いタイミングでの募集ではないかと感じました。

ちなみに、新卒の三菱重工業でも、海外拠点を立ち上げる際に一番に現地に赴くのは現地のヘッドや責任者クラスを採用できる人、です。原則、急成長を前提に海外に工場を建てるので当然といえば当然です。

レアジョブも早かった方ですが、それでも9人目のスタッフが15人くらい入社したタイミングで人事・採用を兼務になりました。

 

スキル・経験・知識が豊富な人の採用(@急成長フェーズ)

急成長フェーズはとにかくオペレーションがまわりません。指数関数的な成長をしており、それこそ増え続けるカスタマーサポートやマーケティングの日々の施作をやりきるだけで手一杯になります。

創業期に25歳で入社して、当時国内でこのオペレーション部隊を率いていたのが自分自身でした。

とりあえずAM2時までカスタマーサポートをやって、その後AM朝5時までアライアンスの企画書とシュミレーションを作って、また翌朝11時から働く、それが楽しくってしょうがない時期でした。

しかしながら、長期的な成長を見据えた投資は全然できてなかったんですね。

  • KPIの設計と運用
  • オペレーションの自動化(根性対応ではなく)
  • 人事制度の整備と運用
  • システム運用のセキュリティを担保できる人材

取り上げたらキリがないのですが、「ああ、もっとこのあたりを早く導入していれば次のアクセルがもっと勢いを持って踏めたかもしれない」とその後何度か感じました。

上記の4つの課題はその後、スキル・経験・知識を持った人材が入社したのですが、全て一度崩壊してから、或いは崩壊する直前の入社でした。後、半年から1年早く採用に動いていれば違う結果になったかもしれません。

 

創業期のメンバーの引き留め(@安定成長期/上場前後フェーズ)

上場に向けて、数値管理や制度、システム運用の安定化が進む中で、それ以前に活躍していた「急拡大への対応ができる人」、具体的には「オペレーションをやりきる人」や「各部門を立ち上げる人」には居場所がなくなっていきます。

理由は組織のフェーズが変わった結果、求められる能力が変わっても自分の成長が追いつかないからです。かく言う自分も部長として、フルタイム10人、パートタイムも入れると30人くらいを管轄していた責任者から、一夜にして部下ゼロの平社員になりました。(当時、課長代理という役職もらったのですが、ベンチャーで代理ってなんやねん、と思って名刺から消したのが懐かしいw)

多くの人がこのタイミングで会社を去っていきます。戦友が悩み悩んでメンタルもやられる中、病院を紹介するのもなかなか辛いものでした。

ただ、ほどなくして会社として彼らが恋しくなる時期がやってきます。上場後に安定的に成長しているものの、急成長を実現するためには新しいことにチャレンジする必要が出てきます。その新しいこと、答えのないことをやる人たちがすでに会社を去ってしまっているのです。

50人弱〜100人程度のフルタイムスタッフがいる会社の社長、人事責任者には、創業期からの馬力あるメンバーで、今この瞬間はスキルや経験がある人と比較してイマイチに見えている人でも、これだと思っている人は”残す”努力をしてください。きっと後悔しますw

 

新卒orインターン採用の継続(@安定成長期/上場前後フェーズ)

時を同じくして「スキル・経験・知識」を重視した採用にシフトした結果、新卒やインターンには力を入れなくなりました。

しかしながら、今のレアジョブでブラジル事業、オフライン事業、フィリピンの新拠点、オウンドメディアなど立ち上げ系の核となるメンバーにインターン出身の若手が多数います。

「創業期のメンバーの引き留め」と同じですが、スキルや経験は不足していますが馬力があり、新しくて困難なことに挑戦するのも好きなメンバーです。ちなみに僕もちゃっかり当時のインターン生のエンジニアと一緒に起業していますw

そうしたメンバーをしっかり育てていく組織はいずれ大きな競争力を持つ企業になります。典型的な例がサイバーエージェントやAdways(敬称略)だと思います。

 

上場後の成長を経験した人材の採用(@変革期フェーズ)

上記の4つの「やっておけば良かったこと」を読んでいただいた方には明白かと思いますが、成長するスタートアップはフェーズ毎に急速に必要な能力が変わっていきます。

上場後の継続的な急成長、或いは売上20億円から50億円、100億円を目指すというのは、多くの事業でそれまでの延長線上に答えがないことが多いと聞いています。例えば、ネット証券が初期は「証券取引をネット化」したところから、次に「デイトレーダー」を取り込んでいくところで再度急成長したように、プロダクトや組織面での再発明が必要になります。

また、答えを探すためにはある程度多くの打ち手を打つ必要があり、多様な打ち手を打てる人が属している組織は強いです。意図的にそうした取り組みを推進できる人材はやはり必要不可欠と感じました。

 

結びに

以上がスタートアップに入社して7年ほど、何度もこけそうになりながら学ぶ中で感じた「あの時、採用面でやっておけば良かったこと(フェーズ別)」でした。今も起業しながら、オフィスを間借りさせてもらう形でHRビジネスパートナーとして次のフェーズを楽しく拝見させてもらっています。

そして、間違いなく言えるのは「採用・人事は各フェーズの期間を早める存在」であるということです。スタートアップの採用・人事のみなさま、めっちゃ重要なポジションです!

 

 

「意思決定のアドバイスは誰に聞く?」

 

 

経営者、或いは部門長以上の最大のミッションは意思決定です。そしてその意思決定をする際に一番参考になるのが経験者のアドバイスです。

例えば、

  • 起業後のどのタイミングで資金調達をするか
  • 幹部人材の候補者を採用するかどうか
  • 利益確保できない事業をどのタイミングで撤退するか
  • 海外進出はするべきかどうか。進出するならどうやってやるか

などなど、意思決定をしなければいけないが、その意思決定が会社に重要なインパクトを与える課題にしばしば直面します。仮に1週間後に決める必要があればそれまでに情報収集や脳内思考を繰り返したいものです。

ただ、経営や新規事業に携わる中で一番参考になったのは経験者のアドバイスそのものでした。書物やインタビューから得た知見も有用ですが、その場に直面して実際に自ら判断してきた方の話ほど参考になるものはありませんでした。

上は実際に自らが直面した課題ですが、これらは個人として未体験の中での意思決定だったので、必ずその道の先端を走る人に聞きにいきました。

例えば、4つ目の「海外進出はするべきかどうか。進出するならどうやってやるか。」は全く分からなかったので、日本のベンチャーで海外進出してある程度の規模の売上がある会社の経営者や商社、BCG時代のアルムナイネットワークを伝ってロケットインターネット系の経営者に会いにいきました。

ちなみに、日本のベンチャーで海外進出してある程度の規模の売上がある会社の方は「商社の門を叩く」「競合の幹部と接触する」「税制などを調べる」といったアドバイスはもちろんのこと、最後は現地の人をトップにして任せられるかどうかだと言われ、そのアドバイスが意思決定の大きな軸になりました。

実際に経験した人と学んだ人は同じようなアドバイスでも、何かこうラストワンマイルへ届いているか、届いていないかの境目のようなものがあり、言語化するのが難しいのですが、そのラストワンマイルこそに全てが詰まっていると感じます。

愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ

とドイツの宰相オットー・ビスマルクが述べたと言われていますが、まさに自分の過去の経験よりも、”他人の経験=歴史”に学ぶ大事だな感じます。

そういう意味では起業については初の経験なので、気軽に相談できる起業経験のあるメンターが欲しいなと思ったりする今日この頃です。

ザッカーバーグも投資する”Andela社”がエンジニア不足という国家課題を解決するレベル感で度肝を抜かれる

 

 

10月にシカゴのHR technology conferenceに行ってきたのですが、その行き帰りの飛行機で英文記事を熟読していて見つけたHR系のスタートアップをご紹介します。(海外視察を入れると、もと取り返すぞーと前後でも勉強するのがいいですねw)

そして、このスタートアップ”Andela”を見付けた時が最も感動しました。

世界トップ1%のディベロッパーを◯◯◯○で探す

まず、サイトのdescription(検索結果に出る説明文ですね)にはこんな記述があります。

一言で言うと「世界トップ1%のディベロッパーを採用してあなたの事業を加速しよう」ってだけです。なんだ普通じゃないかと。

その後にサイト内を見て、アメリカ人、英語圏の人の考えることの大胆さ、そして規模感に度肝を抜かれます。

Andela selects the top 1% of tech talent from the largest pool of untapped talent in the world–the African continent. We sift through tens of thousands of applicants so you don’’t have to.”

the African continent

the African continent

the African continent

な、なんと国内に人材が足りないならフロンティアから調達しよう。そうだフロンティアといえば若者の人口拡大が一番大きいアフリカからだということで、アフリカ中から世界トップ1%の人材を探してくるという事業を運営しています。

ザッカーバーグやGoogleからも出資を受ける

そんなスタートアップは資金面でも注目を集めています。

CrunchBaseを見ると、2014年創業から約2年で合計$41M(約46億円)の出資を受けています。投資家もChan Zuckerberg InitiativeやGV(Google Ventures)を始め多くのVCが出資をしています。

クライアントにもMicrosoftやIBMなどが名を連ねており、オフショアの一つの選択肢として広まってきているようです。

レアジョブのように現地の人の生活を変える存在でもある

レアジョブで働いていた当時、感動したことの一つとして、レアジョブの存在が講師の生活を変えたというストーリーがあります。例えば、シングルマザーで外に働きに行くと子供との時間がとれなかったが、いまはレアジョブで自宅で働くために仕事と家庭の両立ができている、などなど。

この記事にも出ていますが、ある26歳の青年がAndelaの前は、農業やバイクタクシーの運転手など低賃金労働をしていたけれども、今はスキルを身につけて中間層並みの仕事をして稼いでいる、とあります。

 

日本でこのビジネスモデルはあり得るのか

結論から言うと、トップ1%を魅了するのは非常に難度が高いものの、人口減少の日本としては、トライし続ける必要がある分野と感じます。

現状、大きくは以下2つの課題があると感じています。

そもそもIT/Web業界に英語で働ける職場がほとんどない

まず、本当に英語OKの会社の数は少ないですね。個人的には楽天が社内公用語化を実施した最大の恩恵は外国人エンジニアを採用できていることではないかと感じるくらい、少ないです。

先日、ベルリンで働くエンジニアの方とも話していたのですが、当たり前のように英語で働ける環境があり、その事実が欧州中から優秀なエンジニアを魅きつける要因になっているとのことです。

また、新卒で入った製造業や内定をもらっていたプラントエンジニアリングの世界だと当たり前のように外国人が従業員としていて、英語が業務にmustだったので、できないことではないと感じます。

日本が移民やオフショアで働く人にとって魅力的な給与ではない

友人にもフィリピンから1~2年の期間で赴任している方がいますが、彼らにとって日本語を覚えるという選択肢は残念ながらほぼありません。英語ができる彼らにとって、力をつければ米国やカナダ、豪州などより賃金が高く、働く魅力度の高い国が存在するからです。

やはり、”稼げる”というのは職を選ぶ上で大事な要素です。中長期では日本のWeb/IT業界も製造業で実現したように海外市場も含めたマーケットで勝って賃金水準を上げる必要があると感じます。

 

実は、BCGの最終面接のお題は、

どうしたら移民獲得競争でカナダに勝てるか?

でした。

それは自ら移民問題に興味があると答えた結果の問いでしたが、当時からこうしたテーマに関心が強かったのだと思います。今後も、Andelaやエンジニアの国境を超えた移動は注視していきたいと感じました。

 

 

人事評価は最高のコミュニケーションツールである

 

 

人事評価というのはどの会社にとっても悩みの尽きない課題です。

  • メンバーからの「評価に納得できない」という声
  • マネージャーからの「評価のやり方がわからない」という声
  • 他部門からの「あの部門の評価は甘い」という批判の声

それらの声は人事部門に集約されるとともに、人事制度の改善をした方が良いのではという議論に流れていきます。それはそれで一つの正しい方向性ですが、その前に人事評価をどう活用するのかについて改めて考える必要があると考えています。

 

そもそも当てにならない人事評価

先日、HR×データ解析の世界で先端をいくリクルートキャリアの鹿内さんとディスカッションしていた際に出てきた話題が人事評価において評価者のバイアスは非常に大きい、ということです。

実際にはそもそも人事評価は当てにならない。数字で見えるパフォーマンスと実際の人事評価の間に相関がないという研究成果もあるとのことです。(この辺りはまた別記事で紹介したいです)

ちなみに、評価ではなくIoTを使った行動データの収集という面白い取り組みをされています。

 

では、何のための人事評価プロセスか

ここからは個人的な考えであり、意志でもありますが、人事評価プロセスが現場にとって大事な理由はそれ自体がマネジメント上の最高のコミュニケーションツールの一つだからです。

評価には大きく分けて目標に対する評価とポリシーに対する評価があります。前者は目標に対してどの程度の成果を上げているか、後者は会社及び個人の成果のために仕事のプロセス上でロールモデルになり得ているかを図ります。

どちらも日々の業務に追われていると、つい話す機会を後回しにしてしまいます。また、マネージャーとメンバーが納得のできるカタチでこうした目標設定をしようとすると日頃から相当量のコミュニケーションが必要となります。

そうした上下のコミュニケーションを活性化させるツールとして評価プロセスを捉えることは、組織に所属する人のモチベーションや成長に大きく寄与するため、ひいては組織の成長につながります。

 

GEも有名な9ブロックを廃止し、コミュニケーションの質向上へ

 

詳細は以下の記事に詳しいのですが、人事世界のロールモデルではあるGEの評価制度改革は業界にとって大きな衝撃です。

人事評価の新潮流~GEが9ブロックを止めたのは本当だった!

特にGEの考える新しい評価システムを記事内では、

「パフォーマンス・マネジメント」から「パフォーマンス・ディベロップメント」への転換

と表現しています。

この転換はGEがこれまでの発電所や航空機のエンジンといったガチハードウェアから、IoTなどハード+ソフトウェアの領域に軸を移すタイミングで製品開発のプロセスが変わるため、同時に組織の文化を変えていく必要があることに起因しているようです。

実際に、ソフトウェアエンジニアも採用しているんですね。

強い組織、強い人材が求められることは必然である。GE社もシリコンバレーにラボを作り、エンジニアを大量採用し、シリコンバレーの文化を積極的に導入している。

具体的なアクションの中で特に興味深いのが”上司と部下との「タッチポイント」”を増やすという発想です。しかも、そこでは”インサイト&コーチングが前提となる”とされています。まさにコミュニケーションやコーチングを通して学習する組織を作っていくかのような印象です。

個人的に三菱重工業という、同業の会社出身のため非常に非常に興味深いです。

 

マネジメント層に求められるアライアンス的な発想

以前にブログで書いたのですが、コミュニケーションツールとしての評価プロセスの活用を実現するには、これまで通りのマネジメント手法では不十分であると考えています。

 

「ALLIANCE」のマネジメント手法はベンチャーに最適
  ベンチャー企業に入社して約6年が経ちました。スタートアップの世界に飛び込んだのが25歳、そして26歳からチームを持つ中で、一番悩んできたのがマネジメントです。当然、部下には年上も、デザイナーやエンジニアなどの異なる職種もいます。そんな中で...

単純に会社、部門、チームのコミットメントに対して何ができるかの約束と確認がこれまでの評価プロセスだとすると、これからはそれに加えてメンバー1人1人の将来や生き方を理解した上で、そこと組織の目標の設定を探っていく必要があると考えています。

以上、少し長くなりましたが、人事評価のプロセスをコミュニケーションツールとして丁寧に取り組んでいく必要があると感じる理由のご紹介でした。

あるHRの大先輩が評価制度は設計2割、運用8割とおっしゃっていたのですが、そのあたりが最近肌感覚として理解できるようになってきました。